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小学館文庫キャラブン!『一教授はみえるんです』刊行記念
◆本当に「みえてる」んですインタビュー 第1回◆
【原案・監修/三雲百夏(みくも・ももか)】

  • ◆今回ご登場いただいたのは、小学館文庫キャラブン!
    新刊『一(にのまえ)教授はみえるんです』のエピソード原案担当をされている三雲百夏さん。本当に「みえてる」三雲さんのインタビューを掲載いたします!

    ――今作の主人公・一凛子教授は、人ならざるモノが「みえる」という設定ですが、この物語のエピソードには、原案・監修の三雲さんが実際に経験されたことがちりばめられているそうで……。
    三雲百夏(以下/三雲) 実は、そうなんです。第1話の「魔界の蓋」の事件の骨格は、もうほぼそのままですね。実際にある老舗のお店が経営する、新しくて素敵なホテルで起きたことです。関係者からのご依頼で、作中の「まつり(魔釣り)」に該当するお仕事をしたんです。一応、そちらの関係者様からも「どんどんネタにしていいですよ」とご了解を得た上で、原案提供していますが……(笑)。こういうご依頼を受けると、やはり京都という場所には他の地域とは異なる独特なルールがあって、ふつうの人々が生活する空間とそうでない空間が混ざりやすい特別なところだなぁ……と実感しますね。
    ――三雲さんは、実際にそういうお仕事にかかわっているんですね!
    三雲 お仕事というより「お役目」という感じなんですよ。「みえる」し「できる」はずだからアナタこれやってくださいね、と「やるべきこと」が降って湧くというか……。自分の意志ではない部分で動いていく「ご縁」のようなパターンが多くて、作中で凛子さんがボヤいていたりする部分は、ちょっと実感がこもっています(笑)。
    ――京都が舞台ということもあり、登場人物の話し言葉にも方言の要素が入っていますね。
    三雲 そうですね。ただ、凛子さんが話しているのは、生粋の京言葉というわけではありません。というのも実は、私が神戸のほうの言葉と少し混ざった感じで喋っていまして……凛子さんの話し方は、かなりかぶって私自身とかぶっている気がします。
    ――作中では方言指導などもされている?
    三雲 指導というほどではなく(笑)、作者の柊坂明日子先生が東京寄りの言葉で書いてくださったものに、私が「こんにしゃべり方になると思います」とチェックしてお戻ししている感じですね。明日子先生の書かれるキャラクターはみんな、生きることに一生懸命で、悪い人がいなくて(いえ、たまにとってもダメな人は存在しますが……たとえば凛子さんの相棒・咲子さんの元旦那さんとか……)、この作品に関われて嬉しいです。
    ――さて、三雲さんのことについてお伺いします。そもそも三雲さんが「みえる」ようになったのは、いつからですか?
    三雲 就学前、まだ幼い時分にすでに何かと会話していたよ、という親の証言がありましたね。私自身はそういう状況が普通だったのであまり気にすることなく、しかしおおっぴらに「みえる」と周囲に話すと軋轢が生じるということも学習して、余計なことは言わずにいようと心に決めて大人になりました。
    ――「みえる」を隠して生きていた?
    三雲 そうですね。それで、やがて子どもの頃からの夢だった、ピアノの先生になりました。でも。その頃から「このコ、実はみえるんだよ」という噂が関係者周辺からじわじわ広がりまして、徐々にカウンセリングのお仕事もするようになった、という感じです。
    ――ピアニストからスピリチュアル・カウンセラーに! すごい転身ですね。
    三雲 転身という意識はあまりなくて、自分の「お役目」がひとつ増えたな、という感覚なんです。「みえる」ことを隠して生きていた人生から、「みえる」ことを話して「ありがとう」と言われるこの仕事に導かれたことには、感謝しかないですね。……あ、ちなみに「三雲百夏」という名前は、この作品に関わるにあたってつけたペンネームでして、この名前で「そちら」のお仕事をしているわけではありませんので、あしからず。
    ――で、では何か霊的なトラブルに遭ったらどうすれば……?(こわがりのインタビュアー)
    三雲 そのときは、こっそり相談してくださいね。ささっと「霊上(たまあがる)」しちゃいます(笑)。

    【第2回につづく】